SPACE101建築事務所 代表 杉野隆之のブログです。

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私が思う手摺


今日は私がかつてから感じてた、馬鹿な建築基準法の手すりの運用基準についてお話します。

建築基準法施行令第126条(屋上広場等)で、第一項に
「屋上広場又は二階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、

安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さくまたは金網を設けなければならない」
とあります。それ以外に建築基準法の運用基準、取り扱い等をみると、手すり子の間隔は110ミリ以下、縦桟とするとか、足掛かりは65センチ以下だとか、事細やかに決められています。全く馬鹿げていると私は思います。

私も今まで何度となく手摺形状で行政庁(建築指導課、建築審査機関等)と議論しましたが認められません。横桟手摺でも足がかりになると言う事で認められません。

過去のバルコニーからの転落事故を見てみると大抵は2、3才の幼児が母のいない時に手摺の前に踏み台を置いて誤って落下しています。

皆さん想像して下さい。2、3才の子供が目覚めた時、近くにお母さんがいない。

家中を探すがいない。すると子供はバルコニーにいないか? 外にいないか?と当然考えるでしょう。残念な事に子供の背丈では全く外が見えず、好奇心旺盛で不安になった子供は、あげくの果てに手摺(腰壁手摺や腰が不透明のガラス入)の前に何か踏み台になる物を置き外を覗こうとして、落下。とこうなるのでしょう。

例えば基準法の運用基準等には違反しているタテ桟の幅が15センチの物であったとしましょう。大抵の子供は桟を両手に持ち桟から頭を出し「ワァーワァー」と泣くと私は思います。それでも子供は踏み台を探してきて踏み台の上に乗ると思いますか?子供は外にお母さんの姿を探したいだけだと思います。

その内運よければ下にいる人が鳴き声に気付いたり、何なりかの対処が出来るのでは無いでしょうか。

多分過去に落ちてしまった子は外の見えない手摺を前にして、好奇心旺盛で実行力のある頭のいい子だったに違いありません。

波止場なんかで、申し訳程度に付いてる手摺(1.1m以下でしかも横桟2本とか)、海に落ちた子供の話聞かない様に思いますけどね。それこそそんな所に腰壁手すり付いてしまうと海を見たがった子供がよじ登って海に落下ってなると思いますけどね。

それに高い所ってほとんどの動物は本能的に怖いみたいですよ。これはあまり良い事ではありませんが、猫でさえ3階位から放り出す様に下を覗かせると縮み上がってますよ。(動物虐待じゃないので悪しからず)

私は小さい2,3才の子供がいらっしゃる住宅を設計するなら、下の見えない手摺は設けたくないですし、お婆さんが使うバルコニーならもう少し低めの持ちやすい高さに設定したいですね。

そろそろ、そんな馬鹿馬鹿しい指導やめてもらえないですかね。そんな指導してくれなくても、世の中の設計士はもっと住む人の事考えてますよ。

御堂筋


大阪のシンボル御堂筋。ここはかつて百尺制限(31m)という高さ制限が大正時代(1920年)からあって、それであんなに綺麗に高さがそろってたんですよ!知ってました?。巾が広いとか銀杏が素敵とか言うのもありますが、あの大都会にありながらあの空の見え方がたまらなく素敵なのです。悲しい事に1995年に50m規制緩和、そして2006年には50m規制も一部ではなくなり、140mの超高層ホテルが出来るらしい。賛否両論ありますが、私はとっても残念です。お爺さん、ヒイお爺さんの時代から皆さんの協力で出来てきた、あのすばらしい景観をいとも簡単に景気対策と言う名の下につぶされてしまうんですから。

都市計画ってそんな単純なものじゃないでしょう?都市計画があるから美しい町並みが残る。もっとヨーロッパを見習わないと…!

花見小路


祇園の花見小路に行きました。結構広い石畳の道路の両側に昔ながらの木造の建物の中にお茶屋さん、飲食店等がぎっしり。関西電力のコマーシャルで「町のあかりきらきら・・・」ってBGMが流れながら、一瞬写っているそれ。花見小路の町並みの美しさ、建物の美しさはほんと感激しますよ。又特に夜がきれい!嫁に「前も来たよな?」って言ったら

「来てない!」って・・・・・・・やぶへびでした。

でもここの道は車が入って来れるんですよ。結構タクシーが多いのが玉に瑕ですね。

この地域は都市計画法第十二条の四第一項第一号の地区計画と言う法律に基づいてかろうじて町並みが守られる仕組みになっています。それぞれの地区の特性にふさわしいまちづくりを誘導するための計画なのです。

しかしこの法律は住民主導の下で行政庁と協議を重ね、住民の合意に基づいて成立する為、住民の結束力、労力が半端ではありません。ある意味奇跡です。

そんなに苦労しなくても、必然的に美しい町並みが残るシステムができませんかね?

京都市も一部では高さ制限を設け、外壁の色を制限したり看板の色を規制したりしていますが、これってあまり意味が無いと

思いますよ。確かに高層ビルは減るでしょうけど・・・・・・・防火上の制限や、日本の伝統工法を否定する様な建築基準法が

ある限り伝統木造建築や町家建築はやっぱり無くなってしまいますよ。・・・・・・・・・・つづく

先斗町


今日からたまに思いついた事、あった事などを思うがままにしゃべらしてもらいます。

さる6月28日の日曜日の事。家でごろごろしてたら、いつもの事ながら三女(小4)は「どこかへ連れて行け」とうるさく、

でもあまりにも暑くてどこに行ったら善いのやら・・・そうこうしてる間に時間はもうすでに3時。

 そこで私「あっそうそう、今から鴨川に行ったら涼しくて善いんちゃう?ナット(愛犬チワワ)も喜ぶし・・・」

(鴨川のほとりは、西側に建物が建ってて西日の照る時間帯も意外に涼しいのです)

そしたら京都好きの嫁は大賛成。と言う事でいざ鴨川へ。鴨川と言っても我が家(大阪市内)から高速に乗って車で1時間。

すると鴨川では川床の席も出てて、情緒たっぷり。ゆっくり散歩した後、先斗町(ぽんとちょう)へ。昔の路地風の街路に和風の

飲食店がぎっしり。道巾2mくらいのそこは、風情があって、これぞ日本って感じ。その道巾の落ち着く事。人も多いが全然気にならず、とってもいい空間ですよ。

しかしながら、幅員4m未満の路地は、建築基準法第42条の規定により沿道建物の建て替えに際して、

道路中心線より2mの後退が義務づけられています。それに加えこの地域は準防火地域に指定されており、建て替える際は

木質系の外壁材料も木製の窓も許されません。現実に現代風に道路後退して建て替わっている建物もあります。

寂しい限りです。

どうせ、どこかの賢いお役人が先斗町に行った事も無くこんな法律作ったんでしょうね。いつか京都が京都でなくなり、日本が日本でなくなっちゃいますね・・・・・・・・・・つづく